新型コロナウイルスの感染拡大の防止のためのワクチン―Ⅱ

新型コロナワクチンの課題
ワクチンの接種に向けての課題は、ワクチンの保管と物流です。ファイザーやモデルナ製は、-20℃~-70℃で保管しなければならず、大量の保冷ボックスや保冷庫が必要になります。厳格に温度管理したワクチンの物流網の整備も課題です。運搬されたワクチンについて、低温で保管する設備がない病院やクリニックでの接種は、難しいとの指摘もあります。
予防効果の持続も課題です。ファイザーは最終治験で、予防効果が95%に達したと発表されていますが、効果の持続期間は、接種から1~2週間程度しか確認されておらず、長期間持続するかは明らかになっていません。効果が短いようなら、1年間に何度も接種する必要が出てきます。
最も大きな問題は安全性です。通常は10年近くかかる開発期間が大幅に短縮され、安全性に検証が不十分である可能性があります。副作用が心配などとして、米国民の4割が接種しないと回答しています。今後、接種を受けた人が増えると新たな副作用が起きる恐れもあり、安全性について慎重な対応が必要です。

(2020年12月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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