新型コロナワクチンの感染予防効果の低下

米製薬ファイザーなどがFDAに提出した資料によれば、2回の接種後、徐々にデルタ型への感染予防効果は下がり、4カ月以降に当初の53%になったとしています。追加接種すれば、感染リスクは約11分の1になるとして実施を求めています。ファイザーがFDAに提出したデータは、米国やイスラエルで実施した複数の研究がベースになっています。
デルタ型に対する感染予防効果は、2回接種から1週間の完全接種の状態から1カ月以内だと93%ですが、その後次第に低下します。重症化予防効果が60%未満に落ちる可能性も示しています。追加接種から12日経過した人の感染率は、追加接種していない人の約11分の1に下がり、重症化する割合も約20分の1に下がるとしています。
ワクチン接種が進む先進国では、追加接種の検討が進んでいます。英国政府は、50歳以上、医療従事者、16歳以上で基礎疾患を持つ人を対象に、2回目の接種から6カ月が経っていることなどを条件に、3回目の接種を始めると決めています。
一方で、重症化予防には高い効果を示しているので、現状では一般の人への追加接種は必要ないとの意見もみられます。追加接種で得られる利点が、未接種者への接種を進める利点を上回ることはないとの指摘もあります。

(2021年9月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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