新型コロナワクチン接種前後の注意点

新型コロナワクチン接種で注意が必要なのは、アナフィラキシーと呼ばれる重いアレルギー反応です。発疹が出たり呼吸困難になったりして、適切な処置を受けなければ命にかかわる恐れもありますが、アドレナリン製剤などで治療できます。
食物アレルギーや気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症がある人でも、接種を受けられないわけではありません。蜂刺されアレルギーがある人も接種できます。これまで薬や食品などで重いアレルギー反応を起こしたことのある人は、今回の接種後に通常(15分)よりも長く、30分の健康観察が求められています。
ワクチンの成分に関係がないとみられるものでも、血管迷走神経反射と呼ばれる反応に注意すべきです。睡眠不足や疲れている時、注射の針が刺さる痛みや緊張などの精神的ストレスを感じた時に、この反応が起き、血圧低下や脈拍の減少が生じることがあります。過去の予防接種で、気分が悪くなったり失神したりしたことがある人は、接種直前の診察で伝えるべきです。
持病の治療で、ステロイドや抗がん剤、免疫抑制剤を使っている場合、直前に慎重に診察などをする必要があります。抗凝固剤をのんでいる人は、注射した時に出血が止まりにくい可能性があります。
副反応として、接種した場所の痛みや発熱、頭痛、筋肉痛などが報告されています。できるだけ接種の当日や翌日に、無理をしないですむよう予定を立てておくことが大切です。接種後の発熱などには、市販の解熱鎮痛薬を使って症状をやわらげます。接種当日は激しい運動や過度の飲酒は控えるようにすべきです。接種後の車の運転は体調に問題がなければ可能で、入浴もできます。

(2021年7月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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