災害時用の公衆電話の必要性

能登半島地震の被災地では、携帯電話が数日間つながらず、公衆電話が外部との唯一の連絡手段になった地域がありました。しかし、公衆電話は携帯の普及で全国的に台数が激減しています。代わって災害時だけ使える公衆電話の普及が全国で進んでいます。
公衆電話には、災害時に優先的につながる特徴があります。国は国民生活に不可欠なサービスとして、NTT東日本と西日本に一定台数の設置を義務付けてきました。しかし、携帯電話の普及で普段は利用が少なく、採算が合わないこともあり、ピーク時の1984年度は全国に約93万4千台あった公衆電話は、2022年度は約12万1千台と8割超減っています。NTT東西は、さらに2031年度末までに約3万台まで削減する計画です。
東日本大震災以降に普及が進んでいるのが、災害時用公衆電話です。避難所となる公民館や小中学校などに回線を敷き、小型の電話機も建物内で保管しています。災害時は、施設の管理者が電話機と回線をつなぐことで無料で使えます。全国で約8万8千台が配備されています。災害時用公衆電話が確実に使われるよう、防災訓練などで利用法を確認すべきです。

(2024年3月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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