特別養護老人ホーム

 特別養護老人ホーム(特養)に入所できない待機老人が増加しています。東京都によると、都内の特養の定員は20163月の時点で43,181人分です。入所待機者は43,384人とほぼ同数にあたります。待機者の中には要介護度の低い人や別施設に入所中の人もいます。入所の優先順位が高い人は約6千人にとどまっています。半年ほど待てば入所できるケースが大半です。
 しかし、戦後のベビーブーム期に生まれた団塊の世代が75歳を超えると、入所需要は急激に高まることになります。都は2025年度末までに特養の定員を6万人分に拡大する計画を決めていますが、最大のネックは用地確保の問題です。特に23区は域内の土地だけで必要な特養を整備するのは困難です。近隣県と協力して整備することを検討しなければなりません。待機老人問題も待機児童問題と同様に、東京都にとって重要な問題です。

(2016年8月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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