男性公務員の育休

政府は国家公務員の男性職員について、原則として1カ月以上の育児休業の取得を促す方針としています。取得をためらわないように職場ごとに仕事の分担などの計画をつくり、課長補佐以上の人事評価に反映して、実効性を高めるようにしています。2020年度の実施をめざしています。地方自治体や民間企業への波及を見込んでおり、男性と女性がともに子育てをしやすい環境を整えます。
2018年度に育児休業を取った男性の国家公務員(一般職常勤)は、取得が可能だった職員の21.6%です。取得率は2017年度より3.5ポイント上がり、育休制度を設けた1992年度以降で最高でした。しかし、99.5%が取得した女性との差は大きいものがあります。自衛隊を含む防衛省や国会、裁判所など特別職の国家公務員を含めると、男性の取得率はさらに下がります。期間ごとに見ても、1カ月以下が72.1%と短期の取得が中心になっています。具体策として育休を1カ月以上取得できるよう各職場の体制を見直し、業務に影響が出ないよう事前に計画をつくらせる方向です。直属の上司となる課長や30歳代が中心の課長補佐級の職員に加え、事務次官や局長ら幹部の人事評価にも直結させて、実効性のある制度を目指しています。民間企業への波及も狙っています。厚生労働省によると、民間での男性の取得率は2018年度に6.2%です。期間は5日未満が36%、5日~2週間未満が35%で、2週間未満が7割を超えています。女性でも82%と、ほぼ全員が取得する公務員に比べると見劣りしています。
少子化社会対策白書によれば、夫が家事・育児に携わる時間が長い家庭ほど、第2子以降の出生の割合が高くなっています。男性が家事・育児に充てる時間も、米国は1日あたり3時間10分であるのに対し、日本は1時間23分にとどまっています。政府内では少子化対策を進める具体案として、公務員の育休取得を広げる施策が必要と考えています。

 

(2019年10月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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