看取りクライシス―Ⅰ

亡くなる場所
社会の高齢化が急速に進むいま、日本では2018年に約136万人が亡くなっています。死亡者数が出生者数の約92万人を大幅に上回る多死社会を迎えています。内閣府の推計では、20年後の死亡者数はさらに約30万人増加するとされています。



厚生労働省が昨年3月に発表した、人生の最終段階における医療に関する意識調査によると、国民の約7割が自宅や介護施設での最期を望んでいると答えています。地域包括ケアを2005年から掲げる厚生労働省は、病院ではない地域での看取りの体制づくりを推進しています。人生の最終段階について、家族、医療者、ケア施設などと予め話し合うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の制度化など、ソフト・ハードの両面で終末期をめぐる政策を進めています。しかし、7割以上の人が、依然として病院で亡くなっています。

(Wedge September 2019)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。