看護師の医療行為の拡大

ナース・プラクティショナーは、高いスキルを身につけ、専門資格を得た看護師が一定の範囲内で医療行為をする制度です。海外では米国やカナダ、アイルランド、オーストラリア、オランダ、シンガポールなどが公的資格制度を設けています。患者が受けられる医療の質の向上や医師の負担軽減をめざし、看護師が医師の一部業務を担っています。
米国の場合は、州によって異なりますが、医師の指示なしで看護師が採血やエックス線撮影などの指示、急性疾患の診断と治療、薬剤の処方などができます。多くの州で規制薬物を含む処方権を持っています。日本は医師の権限が強く、診断や処方は基本的に医師のみが可能です。
日本看護協会は、ナース・プラクティショナー制度の導入を求めています。在宅療養する患者の容体が変化したとき、医師に連絡をとって指示を受けるのに手間取れば、対応に支障が出る場合があります。高齢化で医療需要の急増が見込まれます。医師不足や医療界の働き方改革といった問題に対応しつつ、患者サービスの維持向上につなげます。

(2022年11月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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