睡眠不足とメタボリックシンドローム

 睡眠不足が、生活習慣病やメタボリックシンドロームを引き起こすといわれています。地域や職場の健診データを分析した調査によれば、睡眠時間が5時間未満の人は、5時間以上の人に比べて血糖値が高く、肥満になりやすいことが分かっています。睡眠不足が続くと、食欲を高めるグレリンが胃から多く出る一方、食欲を抑えるレプチンは減少します。その結果、過食になりやすくなります。また、血糖値を下げるインスリンがうまく働かなかったり、副腎皮質から出て血糖値を上げるコルチゾールが増えたりします。それにより血糖値が高い状態が続き、糖尿病になりやすくなります。さらに自律神経、とりわけ血圧を上げる方向に働く交感神経の働きが強くなり、高血圧になりやすくなります。
 睡眠不足とメタボの悪循環を断つためには、起床時間と就寝時間を一定にし、7時間前後の睡眠と日中に汗ばむ程度の運動をすることです。朝食にたんぱく質などをしっかり食べ、夕食にいくにつれ徐々に減らすのが理想です。また、夕食は朝食から12時間以内に取るのが理想です。午前7時半までにとることになります。十分な睡眠時間とともに、食事を規則正しく取ることが大切です。

(2016年10月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

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