短大の減少

 短大は1950年、戦後の新制大学に移行する条件を満たせない専門学校などのために、暫定的制度として生まれました。1964年に恒久的な制度に位置付けられています。女子高などを持つ学校法人が、卒業生の進学先を確保するために設置した例も多く、学校も学生数も右肩上がりで伸びました。文部科学省の調査によれば、短大生が最も多かったのは1993年度の約53万人で、短大の数は1996年度に最多の598校になりました。
 しかし、1990年代をピークに、その後は廃止が相次ぎました。女性の社会進出が広がるにつれて短大への進学が減り、4年制大学への進学率が上昇してきました。2017年度の短大数はピークより4割強減の339校となり、学生は7割強も減って約124千人になりました。1997年~2016年度の20年間に廃止になった短大は、実に280校に及びます。うち、新たな4年制大学に移行したり、既存の4年制の一部になったりした短大は204校にも上ります7割強が4年制大学化したことになります。しかし、地域に密着した研究機関として根付いたり、保育などの資格取得が充実したりしている短大には学生が集まっています。

(2017年8月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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