終末時計の残り時間

米国の科学者らは、地球滅亡までの時間を示す終末時計を公表しています。昨年より20秒進み、残り100秒となりました。公表を始めた1947年以降で最も滅亡に近づいています。終末時計は地球滅亡の時を深夜0時に見立てて、核戦争の危機などが高まると時計の針を進め、遠のくと戻します。
始まった1947年は残り7分でしたが、米ソが水爆実験を本格化させた1953年に残り2分になりました。冷戦終結を受けた1991年には17分前まで戻しましたが、核開発を進める北朝鮮と米国の挑発で、2018年に再び残り2分になっていました。危機が高まった理由の一つは核問題で、米国によるイラン核合意からの離脱、北朝鮮非核化交渉の停滞、米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約の失効などが挙げられます。また、温暖化問題では、若者たちの世界的なデモにより意識は高まった一方、各国政府は具体的な対策を打ち出せていないとしています。

(2020年1月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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