肥満によるコロナ重症化

太っていると、新型コロナ感染症の重症化リスクが高まると言われています。肥満は、たまった脂肪によって肺や気道が圧迫されている状態で、元々呼吸機能に負担がかかっています。内臓脂肪には、普段から病気とは言えない程度の軽い炎症があることが多く、ウイルス感染は引き金となって炎症が酷くなると、免疫が暴走して重症化につながるとみられています。
肥満の人は、そもそも感染リスクが高いとされています。ウイルスは、受容体と呼ばれるたんぱく質にくっつき、細胞の中に入り込んで症状を引き起こします。コロナにくっつく受容体は、肺や腎臓といった臓器のほか、脂肪にもあります。だから脂肪が多いと感染しやすくなります。
肥満の人には、隠れ糖尿病も多くみられます。血糖値が高いのに放置して、コロナになってから急に糖尿病が悪化し、コロナ自体も重症になるという悪循環に陥る人が多くみられます。厚生労働省の調査によれば、重症化要因とされる肥満や糖尿病、喫煙などがない感染者が亡くなる確率は0.41%なのに、肥満の感染者は1.55%と高くなっています。

(2021年12月19日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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