育休2年へ

 厚生労働省は、働く親が取得できる育児休業の期間を、現行の最長1年半から2年に延長する方針としました。現行制度では出産後、1歳まで取得ができ、保育所が見つからない場合は特例で半年延長できます。今回の育休の延長は、待機児童対策も兼ねています。国が定める認可保育所の保育士の配置基準は、0歳児3人につき1人で、12歳児の6人に1人より手がかかります。保育所を確保するため、入所しやすい0歳のうちに子どもを預け、育休を短縮する人もいます。育休が延長され、早い時期から子どもを預けようとする人が減れば、その分の定員や保育士を、待機児童の7割以上を占める12歳児に振り分けられると期待されています。
 女性の長期の職場離脱は、キャリア形成に悪影響を与える可能性もあります。育休の延長は、保育所が確保できなかった時の緊急避難と考えるべきです。必要なことは、いつでもどこでも子どもを預けられるような保育所の確保です。長期間の育休を必要とするカップルもいます。一方で、出産後速やかに仕事を始めなければならない女性もいます。育休が長ければ長いほどキャリアの継続が難しい職業もあります。こうした多様性を考慮した政策が必要となります。同時に男性の育休取得を促す方策も実施するべきです。育休を取得した男性は、新たな視点が生まれ、仕事の幅も広がります。

(2016年12月8日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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