育児社員の働き方

 仕事と育児を両立するためには、短時間勤務が必要になります。育児・介護休業法は、3歳未満の子を養育する社員が申し出た場合、16時間の短時間勤務とすることを事業主に義務付けています。企業によっては、利用可能期間を長くするケースも少なくありません。仕事と育児を両立させる制度は重要ですが、短時間勤務の長期化がキャリアに与える影響や、夫婦間の家事、育児役割の固定化を考慮することなく、期限まで使うのが当たり前という女性は少なくありません。
 一方で長期化するとキャリアに影響がでるとして、早めのフルタイム転換を働きかける企業が出てきています。また時短勤務の社員に責任ある仕事を与え、活躍を促す企業も出てきています。慢性化する長時間労働が、育児中の女性のフルタイム復帰や活躍を妨げている現実もあります。さらに海外に比べて日本では、短時間勤務が育児中の働き方として重視されすぎているとの意見もあります。在宅勤務やフレックスタイム制度などの柔軟な働き方が浸透すれば、フルタイムでの両立もしやすくなります。短時間勤務者を管理職に登用するには、長い時間職場にいないとマネジメントできないという固定観念と、従来の働き方を変える必要もあります。

(2016年7月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。