若年女性アスリートの健康障害―Ⅵ

疲労骨折の好発年齢

 疲労骨折時の年齢は、日本代表レベル、全国大会レベル、その他のレベルで17歳であり、地方大会レベルでは16歳と、どの競技レベルにおいても高校時に疲労骨折が多くみられました。
 今回の調査で、疲労骨折の好発年齢は16歳~17歳でありましたが、女性の生涯にわたる骨量の経年的変化を見ると、最大骨量獲得時期は18歳~20歳頃であることから、この時期より前に疲労骨折が好発している現状にあります。骨量と体重は相関関係があることが報告されています。最大骨量獲得前の10代での低体重および低エストロゲン状態は、最大骨量獲得を制限する因子となり得ると思われます。そのため、10代で適切な体重を維持し低エストロゲン状態をいかに回避するかが、障害予防のみならず女性の生涯の健康を考える上で重要であると考えられました。

(吉村 やすのり)

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