賃金の勤続年数による変化

 日本では、40歳以降の正社員の賃金が上がり続け、無限定な働き方をしているのが問題であるとの指摘があります。企業に勤める年数が長くなると、賃金が徐々に上がっていく年功序列型賃金は、日本も欧州も同じです。しかし違いは賃金カーブの傾斜の度合いです。日本では勤続年数が20年以上になると急峻に賃金水準が切り上がっていきます。年齢で4050歳代の層の賃金水準は、突出して高くなっています。
 若い時に安い賃金で頑張ったからこそ、中高年になって高い賃金で報われるといった賃金体系はかつては合理的な面もありました。こうした賃金体系を見直すことが大切です。賃金カーブをもう少しなだらかにすれば、60歳や65歳を超えて長く働きやすくなります。また、若手社員の賃金を今より上げ、やる気を引き出す余地が大きいと思われます。

(2016年4月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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