転勤の必要性

転勤・異動・定年に関するインターネット調査によれば、転勤経験者は、未経験者と比べて業務経験の幅も広く、スキルの習熟度も高く、時間当たり賃金も10%程度高くなっています。賃金の上昇は、転居を伴わない人事異動でもみられていますが、課長以上への昇進確率はそれを上回る効果があり、転勤にはパフォーマンスを高める一定の役割が認められます。
転勤経験者も、人脈作りで役に立った、職業能力全般が向上したなどメリットを挙げています。しかし、単身赴任などで家族との生活が犠牲になったなどデメリットも感じています。
しかし、テレワークが普及した今、仕事を通じた成長なら現地に赴任せずとも実現できます。働く側が負担に感じる転勤は見直す時期にあるのかもしれません。転勤は、同じ職場に居続けるだけでは得られない広い世界や多くの人との接点を持つことのできる制度です。しかし、今後は人材育成目的の転勤は大幅に減り、世界中から人材を集めるような多様性を高めるための転勤が増えると考えられます。

(2021年5月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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