遺伝子改変によるジカ熱退治

 遺伝子改変した蚊を自然界に放して、ジカウイルス感染(ジカ熱)やデング熱を媒介する野生の蚊を駆除する計画が考えられています。ジカ熱やデング熱のウイルスを媒介するネッタイシマカに、自然界では2日ほどしか生きられない致死遺伝子を組み込んだオスを大量に放ちます。オスは死ぬ前にメスと交尾するため、メスが産んだ卵は、致死遺伝子の影響で、成虫にはなれずに死んでしまいます。そのため、いずれは蚊の集団全体が駆除できることになります。
 放される蚊はほぼ全てオスであり、人や動物を刺さないため直接の健康被害は考えられないとしています。仮にメスが混入して人や動物を刺しても、中毒やアレルギーなどの悪影響が出ないとされています。すでにブラジルやパナマなどで駆除試験が行われており、蚊を放した地区では9割以上の蚊を駆除できたとしています。殺虫剤による駆除より低いコストで、薬剤耐性をもつ蚊が生まれる心配もなく、効果が期待できるとしています。

(2016年8月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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