長時間労働

 日本は、長時間労働者の割合が先進国でも高い状況にあります。これには、日本企業の雇い方が背景にあります。自らの仕事の範囲があいまいで、自分の仕事が終わっても他の人を手伝わされることがあり、新たな仕事も割り振られやすい状況にあります。従業員をできるだけ解雇せず、社内に抱える傾向も長時間労働につながりやすくなっています。
 厚生労働省によると、過重労働などで脳や心臓の疾患を発症し、労災が認められた件数は、近年は横ばいです。しかし、過労やストレスで、うつなど精神障害になったとして労災が認められたのは増えています。過労死で労災基準となる残業時間は月80時間ですが、多くの企業は労働組合との協定で特別に超過を認めています。政府はこの協定を見直す方向です。こうした規定の強化とともに、労使ともに長時間労働を減らす取り組みを一緒になって考えるべきです。

(2016年5月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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