非正規雇用者の増加

 雇用の不安定な非正規労働者は増え続けています。総務省労働力調査によると、2015年の非正規雇用者数は1980万人で、10年前の2005年に比べ2割増えています。雇用者全体に占める割合も37.5%と、3人に1人以上に高まっています。増加の背景の1つが2004年の労働者派遣法の改正により、製造現場への派遣が解禁され、派遣労働者が増えたことによります。正社員に比べると賃金が低く、景況などに応じて人数を調整しやすい非正規社員の採用を企業が積極化したこともあります。
 能力向上を通じて正社員になる道を開く政策を一層進めるべきです。賃金の見直しだけではなく雇用の安定も必要です。取り組みが進んでいる企業については、国が社名を公表したり、社会保険料の企業負担分を減らしたりといった動機づけも有効です。

(2016年6月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。