食後の眠気

 食事の直後は血液中のブドウ糖の量が増え、血糖値が上昇します。それにより膵臓からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪に取り込みます。食事から摂取するブドウ糖の量が多いと、血糖値が急上昇します。それに反応してインスリンも大量に分泌されます。その結果、インスリンが効き過ぎてしまい、血糖値が急降下し、体が一時的にブドウ糖不足の状態に陥ります。脳の唯一の栄養源であるブドウ糖が脳に十分に行き渡らず、頭がぼっーとしたり、眠くなったりします。
 逆に、摂取するブドウ糖の量がそれほど多くない場合は、血糖値の上昇は緩やかです。インスリンの分泌量もそれほど多くならず、血糖値の下がり方もゆっくりになります。その結果、ブドウ糖不足の状態になりにくくなります。食後に眠くならないランチのとり方の第一ポイントは、ブドウ糖の基になる糖質の摂取を抑えることです。糖質制限食は、もともとダイエットや糖尿病患者のために有効ですが、昼食後の眠気防止にも役立ちます。まず、サラダなど野菜をたっぷり食べて食物繊維を摂取し、次に肉や魚、最後にご飯やパン麺類を食べると良いとされています。

(2017年1月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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