高齢者の労働力

 退職後のくらしへの不安の高まりに対応して、2006年に改正高年齢者雇用安定法(高齢法)が施行されました。それにより、企業に65歳まで働ける環境の整備が義務づけられました。高齢法では、定年制の撤廃か、65歳までの定年引上げ、再雇用制度など継続雇用、のいずれかが企業に義務づけられています。厚生労働省によると、従業員51人以上の企業での60歳以上労働者は、2005年の105万人から、2015年には276万人に増えています。
 少子高齢化で国内の働き手が減る中、企業がベテランの経験を生かそうとしている面もあります。しかし、企業は高齢者を安く使える労働力とみなしがちです。定年廃止や延長により、安い賃金で契約を結び直しやすい再雇用を選ぶことが圧倒的に多くなっています。今後、企業は65歳まで働く前提で、人事制度を見直す必要があります。

(20165月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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