高齢者の屋内熱中症

熱中症による死亡者の大半を占める高齢者は自律神経の衰えで暑さに気づきにくいため、死亡する可能性が高いとされています。東京都監察医務院によれば、8月の1カ月間に屋内で見つかって取り扱われた遺体のうち、死因が熱中症と判断されたものは86人にも達します。このうち92%にあたる79人は、エアコンを使っていませんでした。33人の自宅にはエアコンはありましたが、使われていませんでした。全体のうち79人は、65歳以上の高齢者でした。
年を重ねると体温調節機能が衰え、暑さを感じにくくなります。エアコンの効いていない室内でも、暑いと気づかないまま熱中症に陥ることが多くなっています。独り暮らしの高齢者でも、別の場所に住む家族が室温の管理を担うことで熱中症のリスクを減らせます。室温が高くなりすぎると、スマホに通知する機種もあります。涼しい場所に避難するのも有効です。時間を決めて水分を取ることが重要で、他にも水でぬらしたタオルで体を拭くなどの対応で体内の熱を外に逃すことができます。

 

(2019年9月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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