20代男性の年収と恋愛

 内閣府の結婚・家族形成に関する調査によれば、20代男性にとっては、年収によって結婚歴や恋人の有無などに差があることが一目で分かります。その中でも際立つのは、年収300万円の壁です。既婚者の割合は、年収300万円以上の層に比べて3分の1に過ぎません。女性との交際経験がないという人は35%も占めています。年収が低いほど交際経験なしの比率が高くなる傾向は女性でも同じです。
 デートを重ねるにしてもお金・時間・労力が要ります。非正規雇用で低収入の若年層にとっては、恋愛はしたくてもできないというのが実情です。総務省の労働力調査によれば、非正規の割合は近年、増加傾向にあります。昨年は、男性の15~24歳は25.3%、25~34歳は16.6%が非正規でした。こうした非正規雇用で未婚率が高い傾向は、女性より男性で顕著です。女性は非正規雇用でも結婚できますが、男性は正規雇用でないと結婚できない状況にあります。少子化対策のためにも、特に男性の雇用形態は重要な要因です。

(2016年6月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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