2016年の出生数は98万人

 厚生労働省の人口動態統計によれば、2016年に国内で生まれた子どもは981千人になると推計されています。この統計を始めた1899年以降で、100万人を割るのは初めてです。6月前後に正確な数字で発表されると思いますが、報道後には大きな社会問題となることは間違いありません。少子化の危機が改めて浮き彫りになりました。
 第2次大戦後、194749年には戦時中に控えられた結婚・出産が重なって第1次ベビーブームが起こり、過去最高の約270万人を記録していました。その子どもが親世代になった197174年は、第2次ベビーブームで200万人を超えていました。しかし、第3次ベビーブームは起こりませんでした。2010年の国勢調査をもとにした国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2057年には出生数が50万人を下回ってしまうとされています。
 合計特殊出生率は2.07が人口維持の目安であり、人口置換水準と呼ばれています。しかし、このところ出生率は1.4前後を推移しています。夫婦の理想の子どもの数は2.32人ですが、理想の子ども数を持てない理由として経済的理由を挙げています。若者の所得を増やし、子育てしやすい環境を整えない限り、少子化の危機は突破できません。

(2017年1月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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