3Dプリンターの再生医療への応用

 立体的な部品などを作る3次元(3D)プリンターを使った再生医療の研究が進んでいます。3Dプリンターとは、3次元の設計データに基づき、樹脂や金属などの材料を固めながら重ねて立体物を作る装置です。多品種、少量生産に向いており、次世代の製造技術として期待されています。再生医療の実用化では、細胞をシート状に培養して移植する手法が先行します。
 たんぱく質の微粒子や細胞の塊を積み重ね、移植用の組織や臓器を作ります。東京大学は、治りにくい傷の治療向けに皮膚の立体構造を再現しました。福岡大学などは、呼吸に欠かせない横隔膜の機能を果たす小さな組織を作り、動物で治療効果を確かめています。臨床応用できれば究極の再生医療の実現に近づきます。

(2017年4月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。