マダニが媒介する感染症

 マダニが、皮膚から血を吸う際に、細菌やウイルスなどがうつり、日本紅斑熱やライム病といった感染症を引き起こします。日本紅斑熱は28日後に頭痛や高熱、発疹が起きます。患者は増加傾向で、昨年は212人発症しています。中国で発見され、2013年に日本でも確認された重症熱性血小板減少症候群もマダニが媒介します。全国で年間4060件発生しています。重症化すれば死に至るリスクもあります。下血などの症状もあり、体液に触れるなどして人から人に感染することもあります。国立感染症研究所の調査によると、20166月末までに計47人が死亡しています。
 噛まれる前なら払うだけで落ちますが、噛まれたら無理に引っ張ると皮膚内に口器が残って化膿することがあります。ワセリンをたっぷり塗ったり、テープや絆創膏をぴったり貼ったりして窒息させる方法が効果的です。それでも剥がれ落ちなければ、医療機関で取ってもらわなければなりません。

(2016年7月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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