AIによる精神疾患のリスク評価

精神疾患は、がんや脳卒中と並ぶ、厚生労働省が指定する5大疾病の1つとなっています。2017年の調査によると、精神疾患と一部の認知症の国内患者は419万人です。1999年の204万人の2倍以上に増えています。精神疾患には様々な種類がありますが、似た症状の病気も多く、正確な診断には知識と経験がいります。しかし、地方では精神科医が不足するところもあり、診断制度に限界があります。
MRIで脳を撮影し、その特徴を診断や発症リスクを見積もる手掛かりに使えば、診断制度が高まります。早くから治療できれば、症状の緩和や進行抑えられる可能性も高まります。画像データは、様々な種類がある精神疾患を正しく分類するのに役立ち、より効果的な治療法の開発にもつながると思われます。広島大学は、機能的MRI(fMRI)の画像を人工知能(AI)に学ばせて、うつ病の患者を7割の精度で見分けることに成功したとしています。国立精神・神経医療研究センターは、パーキンソン病の前段階の患者を区別できるとしています。今後、早期発見や最適な治療法の探索に役立つと期待されています。

(2019年8月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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