AIが蔓延する現在、AIが人間の意思決定を支配するような勢いです。一方、精巧な偽画像が社会にあふれています。AIが偽情報を大量生成し、人間の不安心理をあおることもできます。その警鐘は現実のものとなっています。
米調査会社ユーラシア・グループは、2023年の10大リスクに大混乱生成兵器としてAIを挙げています。国際調査会社イプソスによれば、AI企業を信頼する人は、フランスで34％、米国で35％です。中国の76％などと差があり、日欧米で不信感が強くなっています。
AIで選別しようとする企業に、AIで備える学生、AI対人間ではなく、AIとAIのどちらが優れているかを競う状況になっています。しかし、AIは既存情報に沿っているに過ぎず、正解だと考えるのは錯覚で危ういと思われます。実際、AI離れが表面化し始めてきています。何が正しくて、何が間違っているのか、判断力を磨き直すことが問われています。
（2023年4月19日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
