C型肝炎とは

 C型肝炎ウイルスが発見されたのは1989年です。私が医学生の頃は、A型肝炎とB型肝炎が同定されていましたが、C型肝炎は発見されておらず、nonA-nonBと呼ばれていました。C型肝炎は、ウイルスの混入した血液が体内に入ることで感染します。ウイルスのチェック体制ができていなかった時代に、輸血や予防接種の注射針の使い回しなど医療現場で感染が広がりました。日常生活での感染リスクは低いため、検査体制が整備されてからは新たな感染はほとんどありません。肝がんによる死亡者数は毎年3万人以上です。その原因のトップはC型肝炎で、全体の65%を占めています。
 C型肝炎ウイルスに感染した後、治療を受けずに放置すると、7~8割は慢性肝炎に、感染後約20~30年で肝硬変、約40年で肝がんへと進行していきます。

(2016年5月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。