HPVワクチンの積極的勧奨の再開を期して

今日6月14日は、厚生労働省の健康局長通達により、HPVワクチン定期接種の積極的勧奨の一時差し控えが実施されて8年が経過しました。
WHOの子宮頸がん征圧のための戦略の徹底により、今世紀中に世界の多くの国々で子宮頸がんは根絶に向かうと思われます。積極的勧奨の差し控えというわが国の政策決定によって、HPVワクチンの接種率が急激に低下し、国民のワクチンへの信頼性が揺らいだとすれば、まず再開という政策決定によって、信頼を回復するべきであると思われます。既に、国内のみならず国際的にも、HPVワクチンの有効性および安全性についての科学的エビデンスは十分に揃った状況にあります。子宮頸がんの予防は、科学的に検証されたエビデンスに基づいてプログラムを実施することによって達成できます。そのためには、国民やメディアに対する教育が枢要であり、官民一体となった取り組みが急務です。

先進国の中で、わが国の女性だけが子宮頸がんで子宮を失ったり、命を落としたりするという不利益を被らないためにも、一日も早い政府による積極的勧奨の再開が望まれます。一人の産婦人科医として、低下したままのHPVワクチン接種率を座視してきた責任を痛感しており、将来を担う世代に頭を下げて謝りたい気持ちです。子宮頸がんの予防は、科学的に検証されたエビデンスに基づいてプログラムを実施することによってのみ達成できます。

(吉村 やすのり)

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