IPS心筋シートの移植

大阪大学の研究グループは、健康な人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞シートを、重い心臓病である拡張型心筋症の患者に移植する治験を開始します。治験では、iPS細胞から心筋細胞を作製し、直径約3.5㎝、厚さ約0.1mmの円形のシート状にし、心臓表面に5枚貼ります。シートから分泌される成分により新しい血管の形成が促され、心筋の栄養状態が改善します。
2025年度末までに、現状では改善が見込めない成人患者4人に大阪大や国立循環器病研究センターで移植します。同様のシートを使った治験は虚血性心筋症で既に行われており、患者の多い拡張型に応用します。
拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなって収縮力が低下する病気です。息切れしたり、疲れやすくなったりします。薬物などで治療しますが、重症になると補助人工心臓を装着し、心臓移植を待つことになります。厚生労働省の推計では国内の患者数は約3万3千人で、虚血性心筋症は約4千人とされています。

(2024年4月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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