PCBと精子数

 ポリ塩化ビフェニール(PCB)の血中濃度が高い男性は、精子の数が少ない傾向にあるとの研究結果が出されました。PCBには毒性があり、国内では1972年に製造が中止されましたが、環境中で分解されにくく、過去に排出されたものが食物を介して体内に低濃度で蓄積する恐れがあります。
 東北大学のチームは、不妊治療を受けた2050代の男性約220人の血中PCB濃度と精子数の関係を分析しました。その結果、精子の数が少ない人は正常な人より血中のPCB濃度が高く、平均で約1.6倍でした。正常な人の4分の1以下と極端に少ない精子数の男性の場合、遺伝子制御に関わるメチル化という反応に異常が生じている割合が高いことも判明しました。PCBが正常なメチル化を阻害し、不妊に関与している可能性が示唆されています。

Scientific Reports
(吉村 やすのり)

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