生成AIの飛躍的な進歩により、デスクワークの効率化や社員の大量解雇が相次ぎ、米国では大卒のホワイトカラーになれば、高収入の安定した人生が送れるという常識が崩れつつあります。そうした中で、高収入の技能工のブルーカラー・ビリオネア(億万長者)を目指す若者が増えています。
米ロサンゼルスでは、電気工事や空調設備工事の需要が高まっています。求人サイトのインディードのデータによれば、ロサンゼルスでの平均年収は、電気工事士が7万4,106ドル(約1,180万円)、空調設備士が8万9,655ドル(約1,420万円)と、ITエンジニアの平均に近い水準となっています。AIには再現できない複雑な手作業をこなす技能工が注目を浴びています。

労働・人材専門のADPリサーチによれば、年齢別の労働者に占めるブルーカラーの割合は、2024年5月時点で20~24歳が18.4%です。30~34歳、35~39歳の16%台より高く、コロナ禍前の2019年5月から2ポイント上昇しています。1997~2012年に生まれた29歳以下のZ世代は、米国でツーベルト世代とも呼ばれています。ツーベルトとは、職人が工具を入れて腰に装着するベルトを指し、学歴より技能を重視するこの世代の志向を表しています。

(2026年5月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





