上司の望ましい呼び方の変化

 文化庁の調査によれば、職場で部下が上司を呼ぶ際、肩書ではなく名字にさん付けが望ましいと考える20代が4割に上っています。若い世代は役職に基づく上下関係ではなく、互いを尊重する雰囲気を前提としてコミュニケーションを図りたいと思っています。全体では名字にさんを付けるとした人が26%で、課長の呼び方が望ましいと考える人が63%でした。

 年代が若くなるほどさん付けが望ましいとする傾向があり、50代以降では10~20%台ですが、30~40代では30%台に増加しています。20代では、さん付けと課長がともに40%強で拮抗しています。若い世代は、肩書や年齢を超えたフラットな立場での人間関係を重視しています。職場における役職を社会的な階級ではなく、職務や役割の違いと捉える見方が強まっています。

 若者の意識の変化には、職場の多様化や企業の取り組みも影響しています。近年は中途採用や外国人労働者が増え、上司は年上で会社でのキャリアが長いという前提は当たり前でなくなってきています。呼称に対する企業の意識も変わってきています。2020年のパワハラ防止法施行で、内部研修で役職を問わず、さん付けを推奨する企業が増えています。

(2026年10月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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