介護保険の積み立て残高の増加

 介護保険制度では、サービス費用のうち1~3割を利用者が自己負担し、残りを税金と自治体が40歳以上の人から集める保険料で賄っています。65歳以上の人からの保険料額は、サービスの利用状況などをもとに各自治体が決め、自治体ごとに最大で3倍近い差があります。集めた保険料が余れば、介護給付費準備基金として積み立てる仕組みです。

 将来の介護保険サービスに充てるために各市区町村が積み立てた基金の残高が、サービス費用の増加率を上回るペースで膨らみ続けています。2024年度時点で1.1兆円超となっています。自治体のうち91%にあたる1,297市区町村で、基金残高は増えています。2024年度に最も残高が多かったのは横浜市で、254億円です。続いて多かったのが札幌市で139億円、東京都世田谷区が111億円です。

 高齢者の増加に物価上昇や介護報酬の引き上げなどが重なる中、各自治体が自己防衛的に運営していることが残高が膨らむ要因と思われます。

(2026年10月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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