免疫グロブリン製剤の自給率の低下

 免疫グロブリンは血液の血漿という成分からつくる血漿分画製剤の一つです。全身の血管に炎症を起こす川崎病や神経の難病の治療などに使用します。近年はこの製剤を治療に使う公的医療保険の対象疾患が増え、国内で必要な血漿は10年で3割増えています。

 半面、免疫グロブリンの国内自給率は下がっています。厚生労働省によれば、2025年度は59.4%と6割を切っています。2026年度は一段と下がる見通しです。輸入に依存すれば地政学リスクのほか、天候不順や輸送時の温度管理の不備などで供給に支障を来す可能性が高まります。

 国は、血液製剤をつくるメーカーの設備投資や製法の改良などにかかる費用の半分を補助してきました。事業規模を拡大し、自給率の底上げを図ります。献血ルームの整備や献血の啓発後押しなどで血漿の確保も強化します。

(2026年8月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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