東京都立病院機構が公表した2025年度決算によれば、最終損益が114億円の赤字(前期は238億円の赤字)でした。赤字は3年連続です。本業の売上高にあたる医業収益は前期比7%増の1900億円、営業損益にあたる医業損益は611億円の赤字(前期は680億円の赤字)で、2年連続で改善しています。都が交付する都立病院運営費負担金の495億円で穴埋めしています。
病床稼働率は2ポイント上昇の68%で、新型コロナウイルス禍前に届かないものの、4年連続で改善しています。入院患者数が増加したことで26億円の増収に、患者ニーズに応じて有料個室を積極的に案内したことで3億8千万円の増収につながっています。有料個室の収入は2年前と比べると1.5倍に増えています。しかし、病床稼働率が70%を切っており、今後は病床削減を考えるべきです。
コスト削減では、2025年12月に国立大学病院などと診療材料を共同調達する新法人である公共的医療機関経営力強化機構を立ち上げています。シーツやガーゼなど18品目を共同調達し、1億3千万円を削減しています。医療機器の更新時には台数の適正化を図り、輸液ポンプなど240台の削減を始め、2億1千万円を削減できる見込みです。
医療機関別でみると、14施設中11施設が赤字でした。豊島病院、多摩総合医療センター、小児総合医療センターは黒字に転換しており、11施設の損益は前期より改善しています。

(2026年7月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





