高校中退者数の増加

 少子化や高校授業料の無償化を背景に、学校間の生徒争奪戦が過熱しています。難関大学の合格実績を伸ばそうと生徒の実力に見合わない授業や強引な進路指導が行い、脱落者を生んでいます。学校での勉強に挫折し、悩みを抱える生徒は珍しくありません。文部科学省の調査によれば、2024年度に1万5,618人が、学校生活・学業不適応を理由に高校を退学しています。退学者全体に占める割合は、2021年度比で4.5ポイント増の35%と増えています。

 有名進学校に入学しても、早朝や夜遅くまでの補習、膨大な課題で勉強が嫌いになり、居場所を失った生徒が目立っています。難関大学を目指す同級生や過剰な期待をかける保護者・教員らに囲まれるうちに、挫折してしまうケースが目立っています。

 ハイレベルな授業や大量の課題を通じて生徒の実力の底上げを目指すこと自体は、一概に否定すべきではありません。しかし、生徒の特性とのミスマッチによる自信と主体性の喪失を招くようでは本末転倒です。偏差値や合格実績だけで進学先を選ぶのは危険です。教育方針や成績低迷時のケア、在校生の評判などの情報を多角的に集めることが大切です。

(2026年9月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です