がんの都道府県別比較

 都道府県別の比較では、一部のがんは生活習慣の違いが、がんのなりやすさを大きく左右していることが明らかになりました。胃がんでは、東北や日本海側が高くなっています。塩分の多い食事を好む地域性と関係しています。胃がんのリスクを高めるピロリ菌は、胃の塩分濃度が高いと生き延びやすいとされています。肺がんのなりやすさは男女ともに石川県、和歌山県、福岡県で高くなっています。女性では東京都が高く、死亡率は男女ともに北海道が1位です。
 乳がんは東京都が突出しています。出産や授乳経験がない女性では、乳がんになるリスクが高まるとされています。東京都は出生率が低く、乳がんの罹患率を引き上げる要因の一つになっています。大腸がんは、男女ともに東北地方と関西地方で目立っています。青森県は男女ともにがんのなりやすさは全国2位で、死亡率は1位でした。大腸がんには、肥満と運動不足が関係しているといわれています。青森県は肥満の割合も高く、1日の歩数も少なく、大腸がんの多さにつながっています。肝臓がんは近畿地方から西側で多くなっています。

(2016年8月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。