がん免疫薬効果判定の新指標

免疫には異物を攻撃するキラーT細胞と、攻撃を抑える制御性T細胞があります。がん細胞は、キラーT細胞にブレーキをかけて、攻撃を免れています。このブレーキを解除する薬が、オプジーボなどのがん免疫治療薬です。しかし、がん免疫治療薬は、患者全体の2~3割にしか効きません。重い副作用が出る人も出る人もおり、事前に効く人を高精度で予測するための新しい指標が求められています。

国立がん研究センターの研究グループは、免疫細胞の種類とがん細胞の表面の分子の最適な組み合わせを人工知能っで調べたところ、キラーT細胞と制御性T細胞のブレーキ役の分子の割合を指標にすれば、効きやすい患者を分けることができたとしています。今までのがん細胞側の指標では、4割の人しかがん免疫治療薬が効きません。今回の新しい指標を用いれば、薬が効かない人に早く別の治療を提供できる可能性が出てきます。

(2020年9月1日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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