がん死亡率の減少

 国立がん研究センターは、高齢化などの影響を取り除いた75歳未満のがんによる死亡率を算出しています。2015年の人口動態統計を基に全てのがんによる死亡率を計算したところ、2015年は人口10万人当たり78.0人となり、2005年の92.4人と比べると15.6%減少していました。国が掲げる20%減の目標に達していません。
 患者数の多い肺がんや大腸がんで、死亡率の減少が鈍化したためとしています。喫煙率やがん検診の受診率が十分に改善していないことも一因です。一方、子宮頸がんは、原因となるウイルスの感染対策が十分にできないことなどが影響し、死亡率が増加しています。がんの死亡率が増加しているのは子宮頸がんのみです。一日も早いHPVワクチンの積極的勧奨の再開が望まれます。

(2016年12月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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