がん発症率の地域差

 国立がんセンターの調査によれば、都道府県ごとの発症率を全国平均で比較すると、男性では秋田、和歌山、石川の順で高く、女性では東京、福岡、石川の順で高い結果となりました。東京は男女とも高く、特に女性の乳がんが目立っていました。発症率は塩分の摂取や飲酒、喫煙といった生活習慣のほか、肝がんにつながる肝炎ウイルスの感染者の多さなどが反映しています。東京で女性の乳がんが高い理由については、リスクが高いとされている出産経験がない女性が多いことや、初産年齢が高くなっていることが影響している可能性があります。
 胃は男女ともに東北、北陸からは山陰地方にかけての日本海側で目立ちます。大腸がんはと男女ともに北東北、近畿、山陰地方で多くなっています。乳がんは東京で高い以外地域的な傾向はありません。男女ともにがん死亡率が全国で最も低かった長野県は、保健師の活動を補助する保健補導員を住民が交代で担当し、がん検診の呼びかけや生活習慣病の改善などに地域ぐるみで取り組んできています。

 

(2016年6月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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