てんかん支援拠点病院の設置

てんかんは脳の病気で、大脳の一部の神経細胞に突然異常な電流が走り、過剰に興奮することで発作が起こります。その異常な電気活動がどの部位で起きるかによって、発作の症状やタイプは異なります。原因は様々です。脳卒中や脳腫瘍などの病気や、頭に大けがをしたことによる後遺症など原因が明らかな場合もあれば、病変が見つからない場合もあります。
てんかんの有病率は0.8~1%です。国内の患者数は推計約100万人で、誰にでも起こりうる病気です。発症は小児期が多いのですが、高齢になって初めて発症する人も少なくありません。認知症が原因でてんかん発作が起きることがあったり、認知症だと思っていたらてんかん発作で、薬で治療できる場合もあります。
てんかん診療の専門医療機関を増やすために、厚生労働省は各都道府県に1カ所、てんかん支援拠点病院の配置を目指しています。現在23道府県で指定されています。支援拠点病院では、てんかん診療支援コーディネーターによる患者・家族へ専門的な相談支援、診療のネットワーク作り、地域の住民や医師らへの教育・啓発活動なども担っています。
各支援拠点病院の知見を集め、発展させるてんかん全国支援センターには、国立精神・神経医療研究センター病院が指定されています。全国支援センターのホームページの支援ネットワークでは、てんかんの専門医療を担う医療機関を都道府県別に紹介しています。

(2022年8月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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