人口減少
2015年の国勢調査でも明らかになったように、出生数の長期低下により、日本の人口は減り始めています。近年の出生数は1973年の209万人をピークに一貫して減少しており、最近はほぼ100万人となっています。2040年代には出生数は約50万人まで減少することが予測されています。2015年の合計特殊出生率は1.46と、前年の1.42と比べて約2.8%改善しています。しかし2015年の出生数は100万6千人で、過去最低の2014年の100万4千人をわずかに2千人上回ったにすぎません。
出生数は15~49歳女性人口、合計特殊出生率、15~49歳女性の年齢構成に分解できます。合計特殊出生率が高くなっても、女性人口が減っていたり、15~49歳女性の年齢構成が出生率の低い年齢層に偏っていたりする場合には、出生数の増加にはつながりません。2014年~2015年にかけて、15~49歳女性の人口は1%減少し、年齢構成も出生率の低い年齢層が増えたため、合計特殊出生率が上昇しても出生数はさほど増えませんでした。
(2016年8月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)