インフルエンザの流行―Ⅱ

インフルエンザ薬の効果
タミフルやリレンザ、イナビルなどの従来の治療薬は、ノイラミニダーゼの働きを邪魔します。ウイルスは細胞の中では増えるものの、外に出ることができなくなってしまいます。やがて細胞が死ぬと、異物を取り除く免疫の働きで除去されます。しかし、発症から48時間を過ぎると、ウイルスの増殖が進んでいるため効果が薄くなってしまいます。
侵入したウイルスは増殖する際に、エンドヌクレアーゼというたんぱく質が働きます。ゾフルーザは、このたんぱく質が働かないようにします。ウイルスはRNAを覆う殻がつくれなくなって増殖が止まってしまいます。従来の治療薬よりも早くウイルスを体内から排除することができるのが特徴です。タミフルやリレンザは1日2回の服用を5日間続ける必要がありますが、ゾフルーザは1回の服用でよく、発症から時間がたっても効果があります。

(2019年2月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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