オルソケラトロジーとは

 オルソケラトロジーは、子ども向けの近視矯正法の選択肢として近年期待を集めています。就寝時にコンタクトレンズを着けるだけで、日中は裸眼で過ごせる矯正法です。特殊なカーブのコンタクトレンズを着けて夜眠ると、レンズが角膜を圧迫し、ずれていたピントを正常化させます。翌朝レンズを外しても角膜は形を保つため、裸眼で見ることができます。厚生労働省が、矯正用レンズを2009年に高度管理医療機器として承認しています。レンズ代と眼科の定期受診を含めて、初年度の費用は10万~20万円程度かかります。
 現在は日本コンタクトレンズ学会がガイドラインで、適用年齢を20歳以上と定めています。オルソケラトロジーは、子どもの近視の進行抑制にも有効との説もあります。角膜が軟らかい子どもの方が、効果を得やすいとの指摘もあります。日本以外のアジア諸国では、オルソケラトロジーの9割以上は子どもが対象です。子ども時代に始まった近視の多くは、30歳前後で進行が止まります。大半は適切な矯正で日常生活を支障なく送れますが、中には病的近視という深刻なケースがあります。

(2017年4月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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