児童虐待―Ⅺ

愛着障害の有病率
 愛着障害の最重症型は一般的に2%前後の頻度ですが、社会的擁護、特別養子縁組や里親に引き取られた子ども、それから施設に入った子どもの4割にこの症状の重症型が出てしまいます。しかもこういう虐待を早い時期に受けると、使ってはいけない非合法薬物、吸入薬系、幻覚剤、コカイン、ヘロイン、麻薬の使用が、他の場合より23年早くなります。薬物に反応しなくなって、その快感を求めるためにもっと欲しくなります。
 これは報酬回路というドーパミンが出る回路の働きが落ちてくるためです。ドーパミンというのは、私たちを目標に向けて動かすエンジンです。ドーパミンの出方が悪くなるという感受性は、1歳時に虐待を受けると最も低下していることが分かりました。

 

(「周産期から見つめなおす児童虐待:アタッチメント障害の脳科学」)
(吉村 やすのり)

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