コロナ前後のがん検診

国立がん研究センターの発表によれば、2021年にがんと診断された人は、新型コロナウイルス流行前の2018、2019年の平均と比べ、1%増えています。2020年は新型コロナによる受診控えなどで4%減でしたが、コロナ前の水準に戻っています。コロナ流行前の2018~2019年の平均はのべ79万8,078人でしたが、2020年は同76万5,044人(2018、2019年平均比95.9%)に減少しました。2021年は80万6,589人(101.1%)でした。
部位別にみると、胃がんと喉頭がんの2021年の患者数はコロナ前から5%以上減ったままでした。一方、乳がんや膵臓がん、子宮体がんなどの患者数は5%以上増えています。国が検診を推奨する5つのがん(胃、肺、大腸、乳房、子宮頸部)の検診での発見数は、コロナ前比では2020年は85.6%でしたが、2021年は97.2%にまで戻っています。がんの進行度に着目すると、胃、大腸、子宮頸部では早期がんの発見が、コロナ前より1%ほど減っています。コロナ下での受診控えなどにより、進行した段階で診断される例が増えた可能性があります。

 

(2022年12月9日 朝日新聞、日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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