コロナ禍での自殺増

厚生労働省の発表によれば、2020年は、自殺者数が11年ぶりに増えました。女性が6,976人で前年より885人(14.5%)増加しています。若い世代の増加も目立ち、小・中・高校生は1月から11月だけで440人(前年比18.3%増)と、過去最多だった1986年年間合計を上回っています。新型コロナウイルスよる生活の変化などが背景にある可能性があると思われます。
2003年の3万4,427人をピークに減少傾向が続いてきましたが、前年を上回るのはリーマン・ショック直後の2009年以来です。7月以降は毎月前年同月を上回っておりコロナ禍による経済的な影響や生活環境の変化、学校の休校、外出自粛などが影響しています。特に女性は、幅広い年代、職業、原因・動機で増加しています。
自殺の原因・動機となった問題としては、健康、経済・生活、家庭が多く、学校が原因の女性の自殺者は76.9%増、経済・生活は20、30代女性の合計で58.2%増えています。非正規労働者の失業や家庭内暴力、有名人の自殺報道など特に女性や若者が影響を受けやすいことが重なり、自殺者数に表れた可能性があります。自殺の要因を少なくするには、生活を支える支援の充実が重要となります。

 

(2021年1月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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